放浪の王子"ジン・エバーナイト"



『アーキエイジ』の物語を形作る12人の登場人物は、身分も種族も異なっていて、それぞれが様々な事情を抱えています。
彼らの過去を知ることで、物語をより深く理解することができるようになります。

最初に紹介するのは、放浪の王子"ジン・エバーナイト"の過去についてです。
なぜ彼が「放浪の王子」と言われるようになったのか。
それには、彼の出生が関係していました。

"ジン・エバーナイト":権力争いから逃れ、母とともに各地を移り住む


エペリウムの呪い
ネミ川中部に位置する肥沃な王国"エペリウム"には、長い間後継者が生まれなかった。
国王"ローアンドロス"が年老いてゆくなか、3人の王妃を迎え入れたが、それでも子どもができることはなく、 エペリウムの人々は、王家が呪われていると噂し始めた。

国王がまだ王子だったころ、低い身分の舞姫と恋に落ち、娘ができたことがあった。
しかし、当時王家では卑しい身分の血を王家に迎えることは恥であるとして、子どもごと舞姫を殺してしまった。

それから何十年もの時間が過ぎたが、一向に子どもが生まれることがなかったので、3人目の王妃である"サビーナ"は、 死んだ舞姫とその子どもの霊を鎮めるために儀式を行ったが、全くの無駄に終わった。

国中が動揺してゆく中、王の腹心の"アンタロン"が、王国から離れたところにある神殿に王家所事情を話して、神託を受けた。
それによると、「ネミ川から天空の湖に至るすべての土地を手にする子孫が生まれる・彼は捨てられた場所から帰ってきて、王の去った地を長く支配するだろう」ということらしい。

これについてアンタロンは「殺された女と同様に、身分の低い女を選べば呪いが解けて子どもが生まれる」と理解し、 以前と同じように、低い身分の舞姫を探しだし、王のもとへと連れて行った。

アンタロン自身も王も皆が半信半疑だったが、驚くことに子どもができ、 低い身分だった舞姫は王族に迎え入れられることとなる。
身分など気にしている場合ではなかった。

そして10か月が経ち、舞姫は王子を生み、その誕生を祝う盛大な宴が何日にもわたって開かれた。
王子は"気高く尊い"という意味の「ポリティモス」と名付けられ、 舞姫には「エレクティナ」という名前をつけられ、ずっと王のそばにいるようになった。

サビーナ王妃は、突然誰からも見向きもされない身分へと転落した。
エレクティナは純粋な女性だったため、サビーナ王妃の存在を恐れていたが、 一方のサビーナは、エレクティナに今すぐにでも自分の座を奪われるのではないかという妄想が頭から離れなかった。
ついに恐怖を募らせた王妃は、その年の暮れまでにエレクティナと王子を拉致し、暗殺する計画を立てた。

王妃は計画を実行し、二人を拉致することには成功したが、逃げ出されてしまった。
もともと町の出身のエレクティナには、そこに多くの友人がおり、彼らを頼りに身を隠すことができたのだ。

しかし、サビーナ王妃が送った兵士たちはあきらめなかった。
エレクティナと王子を逃したら、自分たちはもちろん、殺害を指示した王妃までも死刑から逃れることはできないからだ。
執拗な追跡から逃れるため、エレクティナは遠い場所へ逃げるほかなかった。

そして、エレクティナと王子にとっては忘れることができない逃亡の日々が始まった。

 

■エレクティナとジンの逃亡の日々は、電子書籍で読むことができます。

エペリウム王国の美しき舞姫エレクティナは、国王の寵愛を受け王子を授かった。しかし、嫉妬に狂う正妻サビーナ王妃から王子の命を守るため、まだ赤子の王子とともに王宮から逃げ出した。

「ArcheAge もみの木と鷹」シリーズ第1弾。
最初の遠征隊の一人、「放浪の王子ジン」出生の物語。

そのほか、原作小説全5巻についてはこちらをご覧ください。

 

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